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千代鶴太郎作 運寿寸六鉋 

銘運寿
千代鶴是秀の一人息子加藤新太郎〈千代鶴太郎〉作
昭和8年1月夭折28才 鉋の作品の大半は昭和6、7年作
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是秀の知人でご自身も大量に是秀の作品、手紙、書などを
所有されている刃物業界の重鎮であられるM氏に鑑定していただくと、「やぁ久しぶりに
太郎を見ました。私も太郎は持っていないんですよ。よく残っていたなぁー」となつかしそう
にご覧になっていました。
「運寿、太郎の刻印といい全体の作りそれに香取屋の刻印間違いありませんね」
とおっしゃっていただきました。M氏の話によると「香取屋は高級刃物販売では、
ナンバー1だったんじゃないかなー。私も香取屋のご主人に研ぎ方を教わりましたよ。
それに台打ちもうまかった。引き出し三段に台打ち用の鑿がびっしりでそれがみんな是秀作。
是秀の鉋は終戦まで大量に販売してましたよ。プライドが高くてね。決して偽物を販売する
ことはなかったですね」
太郎がなくなってから運寿鉋を是秀が作っていたという話を伺うと、「是秀は太郎がなくなっ
てから太郎の話をする事さえ嫌ってましてね。
運寿や太郎の刻印を使ってまで是秀が造るなど考えられませんね」
とお話しいただきました。


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香取屋 通販カタログ 昭和七年版 

運寿鉋を販売していた香取屋通販用カタログ。
当地の職人さんが東京修行中香取屋で運寿を買った時についていたそうです。
現在でも、充分通用するほどのカタログです。抜粋しておのせいたします。
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『海に千年 山に千年のこり』

鑿でも鉋でも使う味え行ってうま味のでるのはなんといっても焼き入れです。が、これにはいろいろおもしろい話があります。
ある、打師は決して日のある中は焼き入れをしない。夜灯をともさず闇の中でやります。
これは、火色が昼間ではよく見えぬのでムラができる。闇の中なれば火色が決してムラ
にならないからだと言うわけであります。
また中には焼き入れは秘伝にして決して他人に見せない人もあります。
現在、国宝的な打師として名人の域にあるのは東京目黒の住人千代鶴是 秀師でしょう。
師は、焼き入れは愛の現れ、人格の現れと申しております。
その作りの見事なことは、弊店でお取次ぎする鑿や鉋でもご存知の向きのあることと存じますが、
師は東京の山の手乾燥地の目黒に住むのも地面の乾燥の関係で、火味に影響があるらしく推察いたしております。
思わぬところに海山千年の極意があるもので、とにかくこうした苦心が今日の東京製刃物
を生み出しました。
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『「かゆ」と「めし」の食い分け』

東京へご上京の節浅草観音へご参詣の折一度浅草寺裏から界隈をお歩き になってご覧下さい。
赤い灯青い灯の街から街です。田んぼの田の字もありません。
ところが明治時代には俗に申します浅草田圃と言って田畑であったものです。
その頃この田の中ほどからトンテンカンと鍛冶の槌音がしてきます。その主こそ本銘義廣、皆様のお手許にも鑿か鉋の一丁位はこの人の物を お持ちになっているかも存じません。
この人は珍しい人で、人にもてはやされるのが嫌い、街が嫌い、とうとう田圃の中へ引き込んでトンテンカン。
然も槌持つ前には竹刀を手にして剣道の修練、それが一刻済んでから打ったもので、
さすがに名人の心構えは違ったものです。
その明治時代、大工道具の打人で、この本銘義廣と並び称され、双璧とうたわれた人に
国弘という人がありました。京橋に作場を持って義廣とは違って、冴えを見せる人で
実に切れるので、売れていました使う人の好きずきで粥の味飯の味があると申されておりました。
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『永く調子の狂わぬ台入れ』

大正十二年以来、弊店の鉋台入れは各位から絶大のご好評をいただいております。「香取屋の台入れは不思議に永く調子が狂わぬ、使いこんでもゆるくも、固くもならぬ」とお褒めいただいております。
これにはエピソードがあります。
大正十二年のある日弊店工場へお見えの一人のお客さま、無言で一日中 仕事をご覧になっておりました。そのあげく「アンタの仕事はなかなか面白い。ワシが台一代狂わぬ台入れの仕方をおしえてあげるから、他に 絶対にもらすな」と前置きして現在の弊店の秘法を教えられました。 後で伺うと「変人の某さん」と云われるある地方の御名人で、弊店はお客様からお褒めいただく毎に感謝いたしております。

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『刃物と油』

椿か山茶花か菜種子の絞り油より外になかった古昔はさして問題でなかったようですが、世界各国各種の油があり、製油法も進歩して油の種類の多い今日では充分注意が必要になってまいりました、油によっては返って錆びを早めたり切止めを来したりすることがあります。
刃持ちをよくする為に油は特にご吟味ください。
精製椿油が一番いいようでありますから、なるべく、純良のものを選んでご使用ある様おすすめ申し上げます。
その他入営旅行等で長く使用せぬ為に折角の御道具を台無しにすることがありますが白蝋またはロウソク蝋を塗っておきますと湿気を防いで錆びません。
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『送料奉仕』

5円以上のご注文内地送料半額10円以上のご注文内地送料無料。
満州、朝鮮、台湾、樺太、南洋、は半額弊店で負担いたします。



二代目宮野鉄之助 九寸両刃玉鋼別打 


本名 遠藤政一郎 号四方斉朝也 明治34年7月25日 兵庫県三木市生まれ
昭和13年2月二代目鉄之助を襲名 この九寸両刃鋸は、たたら製鉄法で作られた玉鋼を使い鍛造した特別品です。
昭和50年頃の作品。



三代千代鶴延国 

銘千三代延国
千代鶴延国 本名(落合宇一)作 新品の鉋ですが、かなり短い寸八鉋です。 一枚鉋用と聞いています。古い物ですが製作年代ははっきり しません。



三代千代鶴延国 『寛寿』 

銘 寛寿
千代鶴延国 本名(落合宇一)作
寸八



彫刻入り尺1寸中塗り鏝 

鶴亀鏝
尺一寸ステン中塗り鏝に、見事な鶴亀を彫りこんでいます。 20年以上前の作品。
当店では、中塗鏝・塗付鏝・仕上げ鏝・シゴキ鏝・角鏝・目地鏝・土間こて・笹葉鏝・張通し鏝・れんが鏝・面引き鏝・角面鏝・鶴首鏝・柳刃鏝・四半鏝・つまみ面鏝・ブロック鏝・筋入れ鏝・シビ鏝・コーキング目地鏝・木鏝・手鍬や水ばけ等各種左官道具もとり揃えております。